第11話:雇用保険の“適用事業所設置届”を出そう

ぴよぴよリサイクルがついにスタートし、
ひよこ社長は、こんどは雇用保険の手続きに入ることになった


🐣 「ところで、雇用保険って“誰を対象に”するんだっけ?」

「みらい先生、昨日の概算保険料で頭がパンパンなんだけど
雇用保険って、Aさんが対象になるんだっけ…?」

ひよこ社長
みらい先生

「Aさんの勤務時間と日数なら対象ですね
だから今日は“雇用保険の適用事業所設置届”を作ります」

「出た…また新しい書類…」

ひよこ社長
みらい先生

「でもこれはすごく大事です
“うちは雇用保険を扱う事業所ですよ”と国に登録する最初のステップなんです」


まずは流れの全体像を把握しよう

みらい先生がホワイトボードに図を書き始める

① 保険関係成立届
② 概算保険料申告
ここまでは昨日までに完了した部分

そして今日のテーマは…

③ 雇用保険 適用事業所設置届

みらい先生

「この“③雇用保険 適用事業所設置届”が提出されて初めて、雇用保険の手続きができるようになるんです
そしてこれと同時に“④ Aさんの資格取得届”を提出します」

「同時なんだ?」

ひよこ社長
みらい先生

「はい
加入すべき人がいるから”適用事業所設置届”が必要になるワケですので、
最初の”適用事業所設置届” と “資格取得届” はセットです
ただし書類が多いので、今回は2回に分けて丁寧に説明します
Aさんの資格取得届は次回にしましょう」


📄 雇用保険 適用事業所設置届とは?

みらい先生

「これは簡単にいえば
雇用保険に加入すべき労働者が1人でも出た時点で提出する届出です」

「1人でも?」

ひよこ社長
みらい先生

「1人でも、です
法人でも個人事業主でも関係ありません
Aさんが加入対象なので、ぴよぴよリサイクルも提出が必要になります」

「人を雇うって大変なんだな…」

ひよこ社長

🔍 提出期限と提出先

みらい先生

「期限は “雇用保険の適用事由が発生した日の翌日から10日以内”
つまり、Aさんが雇い入れられた日から10日以内です」

「これもやっぱり10日か…
けっこう余裕がないんだな…」

ひよこ社長
みらい先生

「提出先は 事業所を管轄するハローワーク(公共職業安定所) です
所轄がポイントですよ
“家の近所だからといって隣町のハローワークに出しました” は原則受け付けてもらえません」


届出書の書き方ガイド

みらい先生が書類をひよこ社長に渡す

みらい先生

「これが設置届です
この様式はハローワークのインターネットサービスでダウンロードできます
内容を入力して印刷できる機能もありますが、理解を深めるために今回は実際に書いてみましょう」


「上から順番にポイントを押さえて書いてみましょう」

雇用保険適用事業所設置届

①法人番号と提出先

みらい先生

「まず1番上ですが、法人の場合は法人番号を記入します
ひよこ社長は個人事業主なので”法人番号”欄は記入不要です
その右に提出先と提出日付の記入欄がありますので記載します」

②事業所の名称等

みらい先生

「次に事業所の名称をカタカナ、漢字で書きます
ひよこ社長は個人事業主なので事業所の名称事業主の氏名を書いてください
そして郵便番号や住所、電話番号も記載してください」

「住所の欄は都道府県名は書かなくてOKです」

「法人は会社名だけど、個人事業主は屋号と自分の名前を書くわけだな
カタカナの部分は、例によって濁点や半濁点も1マス使うやつね」

ひよこ社長

設置年月日

みらい先生

「最初からAさんをしていますので、ここには開業した日を書きましょう
ちょっと特殊な書き方で、元号を数字であらわします」

「令和は5、平成は4ですね
用紙に書いてあります」

「令和7年10月1日だから
5-071001だね」

ひよこ社長

④労働保険番号

みらい先生

「これはもう大丈夫ですね」

「労働保険 保険関係成立届を提出したときに発行してもらった番号だよね」

ひよこ社長

⑤事業主

みらい先生

「ひよこ社長の自宅住所、お店の名称、ひよこ社長の氏名を記入してください
法人の場合は主となる事業所の住所と会社名、代表者の氏名を書きます」

⑥事業の概要

みらい先生

「労働保険では“事業の概要”とか”事業の種類”という言葉が使い分けられています
”事業の種類”という場合は”労災保険率適用事業細目表”にしたがって書かなければならないので、”卸売業・小売業”と書かなければなりませんでした」

「今回の場合は”事業の概要”ということで、事業内容を具体的に書く必要がありますので”中古品小売業”と書きましょう 」

「なんだかややこしいな…」

ひよこ社長

⑦常時使用労働者数・雇用保険被保険者数

みらい先生

「これは保険関係成立届でも出てきましたね
常時使用労働者数はAさんとBさんの2名、雇用保険被保険者数はAさんのみなので1名です」

「雇用保険被保険者数の欄は一般と日雇に分かれているな…」

ひよこ社長
みらい先生

「そうですね
ぴよぴよリサイクルには日雇労働者はいませんので、一般に1人、日雇に0人と記載すればOKです」

⑧賃金支払関係(賃金締切日・支払日

みらい先生

「たしか15日締めの月末払いにしたんですよね」

「そう
だから賃金締切日に15日、支払日は当月末日でいいんだよね」

ひよこ社長

⑨雇用保険担当者課名

「担当者なんてうちにはいないぞ…」

ひよこ社長
みらい先生

「特にこだわりがなければ”総務”と書いておけばOKです」

⑩その他

みらい先生

「あとは事業の開始年月日を記入し、加入している社会保険にマルをします」

「うちはまだ健康保険や厚生年金には加入してないから、労災保険にだけマルすればいい?」

ひよこ社長
みらい先生

「はい
それでOKです」

「やっとできた
でも、思ったよりシンプルだったな…」

ひよこ社長
みらい先生

「じつはまだ終わりじゃありません
裏面があります」

「う、裏もあるのか?
せっかく終わったと思ったのに…」

ひよこ社長
みらい先生

「はい
見落としがちですが、裏に事業所の地図をかく欄があります」

「これは地図ソフトから印刷したものを添付してもOKです」

「なるほど
今度こそこれで終わりだね」

ひよこ社長

📄 添付書類

みらい先生

「”雇用保険適用事業所設置届”の作成はこれで終わりですが、
提出には添付する書類がありますので、それを確認しましょう」

「設置届を出すだけじゃダメなんだね…」

ひよこ社長
みらい先生

「法人の場合は登記簿謄本の写し(履歴事項全部事項証明書)、個人事業の場合は事業主の運転免許証やマイナンバーカード、
または住民票の写し(3カ月以内のもの)が必要です」

「その他にも、事業の実態を証明する書類などが必要なのですが、これは事前にハローワークに確認した方がいいですね
通常は事業許可証や営業許可証、個人事業主であれば、税務署に提出した開業届の控などでよいとされています」


🗂 では、次回はAさんの“資格取得届”へ

みらい先生

「この設置届を提出して受理されればぴよぴよリサイクルは “雇用保険の取り扱いができる事業所” として登録されます
次はAさんを雇用保険に加入させるための “資格取得届” ですね」

「ここからが本番って感じだな…
やっとAさんが正式に守られる状態になるわけだ」

ひよこ社長
みらい先生

「そうです
雇用保険は“労働者の将来”に関わる制度なので、とても大事です
失業したときだけじゃなく、教育訓練や育児休業給付にも関わりますからね」


👉 次回予告:第12話 Aさんの“雇用保険資格取得届”を作ろう

みらい先生

「設置届と一緒に出す書類です
しっかり作りましょうね」

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