アルバイトのAさんとBさんを雇うことが決定した「ぴよぴよリサイクル」
ひよこ社長は、前回のみらい先生とのやり取りを思い出していた
「従業員を雇ったら、労働保険は“必ず入る”」
「そのスタートになるのが『保険関係成立届』ですよ」
今日は、その「まず最初の”保険関係成立届”」の話。
🐤 保険関係成立届って、そもそも何?
みらい先生が、白い紙を机の上に置いた
労働保険保険関係成立届-1
「これが『労働保険 保険関係成立届』です
ざっくり言うと、国に対して
『うちは、従業員を雇う事業になりました』
と宣言する書類ですね」
ひよこ社長は用紙をじっと見つめる
「つまり、ここから“労災と雇用保険の世界に正式に入る”ってことか」


「そういうイメージで大丈夫です
この届出を出しておくことで、
後でスタッフにケガがあったときも、失業などがあったときも、
正しく保険が使えるようになります」
📝 用紙はどこで手に入る?
「ところで、この紙ってどこでもらえるの?」


「複写式の特殊な用紙なので、ダウンロードができません
労働基準監督署やハローワークの窓口でもらうことができますよ
郵送してもらうこともできますが、窓口であればわからないことを質問できるので直接出向く方がおススメですね」
「紙をもらいに行って実際に書くのか
なかなか面倒だな」


「役所に行くのもいい経験ですし、今回は最初なので“実物の紙に書いて流れをつかむ”、で行きましょう
慣れてきたら電子申請に切り替えるのもアリです。」
⏰ 提出期限と提出先は?
「で、いつまでにどこへ出せばいいの?」


「ざっくり言うと、労働保険関係が成立した日、つまり従業員を雇い始めた日から10日以内です」
「10日って、結構すぐだな」


「はい、ケガなどの事故はいつ起きるかわかりませんからね」
「提出先は、ぴよぴよリサイクルがある場所を管轄している労働基準監督署です
あと、ぴよぴよリサイクルは個人事業なので、代表者、つまりひよこ社長の住民票を添付する必要があります
(※法人の場合は登記簿謄本)」
✍ 書き方のポイント(細かいけど大事なところ)
みらい先生は、用紙の各欄を指さしながら説明していく

「それほど難しい書類ではありませんので、迷いそうなところにしぼって解説しましょう
書き方の注意は裏面に書いてありますので、見ながら書けば大丈夫です」
1.労働保険番号

「書類の上の方に”労働保険番号”を記入する欄がありますが、ここは空欄でOKです
労働保険番号というのは、この成立届を出すことによって発行されるものです」
「なるほど。必要のないところは空欄のままでいいんだな」


「そうでうすね。空欄が多いと心配になってしまいますが、書くべきところは意外に限られています」
2. 事業の種類(業種)の書き方
「ここ、“事業の概要”と“事業の種類”はどう書けばいいんだ?
リサイクルショップ…中古品販売…?」


「“事業の概要”は具体的な事業の内容を書けばいいので、”中古品の販売”とか”小売業”等でOKですが、
“事業の種類”は労災保険率適用事業細目表に従って書くのがルールです
労災保険率適用事業細目表は厚労省のHPに掲載されています」
「ちゃんとした“分類表”があるのか」
「”卸売業・小売業”でいいんだね」


「はい。それでOKです
よく分からないときは、所轄の労基署に相談すれば教えてくれますよ」
3. 事業の開始年月日
「ここは、Aさん達が実際に働き始める日でいい?」


「はい
従業員を雇い入れて“労働者として働き始めた日”がポイントです」
4.常時使用労働者数、雇用保険被保険者数
「これはどう書くんだ?
Bさんは雇用保険の対象外だけど」


「今回の場合は総労働者数はAさんとBさん、つまり2人ですが、雇用保険被保険者数はAさんだけなので1人になります」
「そうか、”従業員の数と雇用保険対象者の数が違う場合もあるんだな」

5. 漢数字・フリガナ・濁点の扱い
「住所、名前の欄、フリガナは全部カタカナで…って書いてあるな」


「そうです
それと、名前や住所をマス目に入れて書く様式の場合は、
濁点や「ョ」「ャ」なども1マス使います」
「『ピヨ』で2マスじゃなくて『ヒ』『゜』『ヨ』みたいなイメージか」


「そうです
でも様式によって異なる場合がありますので、注意書きをよく読んでそれに従って書いてくださいね」
⚠ 届け出を怠るとどうなる?
「正直、ちょっと聞きづらいんだけどさ…
もし出し忘れてたら、どうなるんだ?」

みらい先生は、少し真面目な表情になる

「一番困るのは、後からわかって“まとめて”保険料を払うことになる点です
何年分もさかのぼって、保険料や追加の金額を請求されることがあります」
「うわ、それはキツい…」


「それから、労災事故が起きたとき、加入していない期間の事故については、
事業主が立て替えたり、後から請求されたりと、非常にややこしいことになります」
「つまり、“どうせバレないだろう”とか、”面倒だからあとでいいや”は通用しないってことか」


「はい
行政から指導が入ることもありますし、なにより従業員を守れない状態は、
ひよこ社長の目指す“ちゃんとしたお店”とはちょっと違いますよね」
ひよこ社長は、ぐっと背筋を伸ばした。
「そうだな、それはイヤだな
最初からきちんと届け出しておくことにする」

🧾 今日のゴールは「まず最初の1枚出す」ところまで
みらい先生が改めて整理する

「今日は“制度の全体像”というよりは、
成立届という最初の1枚が何者なのかをつかむ回でした」
「うん、なんとなくイメージできてきたぞ」


「では、この用紙に、ぴよぴよリサイクルの実際の情報を書き込んで提出しましょう
そのあと、概算保険料の申告書の話に進んでいきますね」
✅ ひよこ社長の今日のメモ
- 労働保険の入口は「労働保険 保険関係成立届」
- 用紙は所轄労基署でもらう (ダウンロードはできない)
- 提出先は“所在地を管轄する”労働基準監督署”
- 事業の種類は「労災保険率適用事業細目表」に従う
- 10日ルールと、出し忘れのリスクは要注意
「書類はめんどくさいけど、
従業員を守る“約束ごと”だと思えば、やる意味は分かるな」

そうつぶやきながら、
ひよこ社長は今日もメモ帳を閉じた
(※公式パンフレットを必ず確認しておきましょう)
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