いよいよお金の話に突入
ひよこ社長、ついに“うちはいくらで募集するのか問題”と向き合うことに

「では次は“賃金”を決めましょう」
前回の話を終えたあと、ひよこ社長は小さくつぶやいた
「…そろそろ避けて通れないやつだね」


「はい。賃金は求人票にも通知書にも必ず書く項目ですし、会社の経営にも直結しますから」
✅ 1. 最低賃金をまずクリアしているか
みらい先生がPCを開き、最新の最低賃金一覧を表示する

「賃金を決めるとき、まず“最低賃金を下回っていないか”が大前提です
最低賃金は都道府県で違いますし、毎年ほぼ確実に上がります」
「うちは○○県だから…時給○○○円が最低ラインか」


「はい。そして“手当込みで最低賃金をクリアする”のは基本NGです」
📌 最低賃金のポイント
- 基本給で最低賃金をクリアするのが原則
- 皆勤手当・精勤手当・時間外手当などは“最低賃金の対象外”
- 通勤手当・賞与も含められない
「つまり“基本給が最低賃金以上か”で判断するんだね」


「そうです。そして会社のイメージのためにも、あまりギリギリにしない方がいいと思います」
試用期間中でも最低賃金は原則として適用されます。試用期間中だからといって最低賃金を下回ることのないよう注意しましょう
✅ 2. 残業代はどう払う?実務では“割増の考え方”が重要
ひよこ社長、ここでちょっと焦る
「リユースショップって、買取とかが混むとどうしても残業が出ちゃいそうで…」


「そのときは“割増賃金”を正しく払えばOKです。ポイントはこの3つ」
📌 割増賃金の基本
- 時間外(法定時間外労働):25%以上の割増
- 休日労働(法定休日):35%以上の割増
- 深夜(22~5時):25%以上の割増
さらに以下も注意
- 月60時間超の残業は50%以上
- 時間外労働が深夜(22~5時)に及んだら50%以上
- 固定残業代を採用するなら必ず通知書に“残業時間数”と“金額”を明記

「固定残業代は便利だけど、書き方をミスると違法扱いになるので慎重に使いましょうね」
法定労働時間(原則1日8時間・1週40時間)を超えて労働者に時間外労働(残業)をさせる場合には、労使協定(36協定)の締結と所轄労働基準監督署長への届出が必要です
その他にも残業にはとても厳しい決まり事があり、守られない場合は罰則もありますので、注意しましょう
✅ 3. 締日と支払日はどう決める?
「うちは月末締めで翌25日払いでいいかな」


「その組み合わせ自体は問題ないけど、思いつきで決めないのがコツ」
締日から支払日までに勤怠確定 → 給与計算 → 資金確保 → 振込データ作成のリードタイムを確保できるかを先に考えよう
考慮ポイント
- 勤怠が確定する日程とシフト確定のサイクル
- 店舗の月末業務や棚卸しとのバッティング
- 銀行の休業日と振込指定日の前倒しルール
- 資金繰りのピーク日、他の支払いとの重なり
よく使われるパターン(目的別)
- 15日締め/月末払い
初期体制におすすめ
月半ばで勤怠締め → 月末払いまで10営業日前後の余裕が作れる
月末の他業務とも比較的バッティングしにくい - 20日締め/翌月5日払い
早めに払いたいニーズに
従業員満足は高めだがリードタイムが短いため体制が整ってから - 月末締め/翌月25日払い
リードタイムは十分だが支給が遅い印象になりがち
小規模店舗で月末業務が重い場合は運用負荷が上がることも
結論
いきなり「月末締め/翌25日」で固定せず、自店のオペレーションに合うサイクルを試算して決めよう
迷ったら15日締め/月末払いから始めるのが無難
残業が月内に確定しない分は翌月に精算と書面で明示しておけば法的にも実務的にも扱いやすい
✅ 4. 支払方法を決める
「給与は銀行振込でいい?…」


「OKです。ただし“本人同意が必要”という点だけ忘れずに」
📌 給与の支払方法のルール
- 原則は “通貨” “直接” “全額”
- 毎月、一定期日払い
- 銀行振込は本人の同意があればOK

「銀行口座を指定してもらう欄を、契約書等に入れておくのがおすすめです」
✅ 5. 昇給・賞与をどうするか
「昇給とか賞与って、どうすればいいの?
今のところあまり考えてないんだけど」


「“あり/なし”を明確にすることが大事です。そして、あるならその条件を労働条件通知書に明記しましょう」
📌 よくある書き方
- 昇給:会社の業績及び勤務成績によることがある
- 賞与:会社の業績により支給することがある
ひよこ社長が深くうなずく
「ここは曖昧にしない方がいいよね。期待だけ持たせてもダメだし」

✅ 6. “人件費の考え方”の基礎を少しだけ

「ひよこ社長、人件費を決めるときにもうひとつ重要な視点があるんです」
「お、なんだか経営っぽい話がきたな」


「“時給、人数、シフト”を計算すると、月の人件費が見えるようになります。
社会保険料も会社負担がありますが、これについてはまた今度詳しく説明します」
📌 基本の計算式
人件費=時給×労働時間×人数+社会保険料(会社負担分)

「人件費率をいくらにするかは経営にとって非常に重要です。
一般的な小売業において、仕入以外では家賃と並んでもっとも高い経費が人件費ですから」
ひよこ社長、思わず電卓を握る
「だからみんな賃金設定を慎重にするんだな…」

◆ みらい先生のまとめ
- 最低賃金ラインを必ず確認
- 残業・深夜割増のルールは最初に理解しておく
- 締日と支払日は“計算しやすさ”、”その他の条件”で決める
- 昇給や賞与は曖昧に書かない
- 賃金設定は経営そのもの

「ここを誤ると、会社の将来に響きますからね」
ひよこ社長は深呼吸し、ゆっくりとうなずいた

「よし…ぴよぴよリサイクル、いよいよお金のことも決める段階なんだな」
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