第8話:雇ったらすぐ必要?労働保険の手続きの全体像

開店準備がすすみ、スタッフの採用も決まったある日
みらい先生がまたやって来た

みらい先生

「さて、ひよこ社長。そろそろ“労働保険”の準備をしていきましょう」

「たしか労災と雇用保険の話をしたよね。あれに“入らなきゃいけない”ってことだよね」

ひよこ社長
みらい先生

「その通りです。従業員をひとりでも雇った時点で“加入義務が発生”します」


ひよこ社長はうなずく
そして自信満々にこう言った

「じゃあ「加入します」って申請が必要なんだな…」

ひよこ社長
みらい先生

「……細かいことを言うとちょっと違います。
労働保険は加入を申請するのではなく“成立日”を明確にして、届け出るんです」

「成立日……?」

ひよこ社長
みらい先生

「はい。すでにお話した通り労働保険は強制適用なので、加入申請という概念はありません。
いつ成立したか(いつから人を雇用したか)を届け出るんです」

「そういうことか…」

ひよこ社長



📍 労働保険の手続きは“流れ”で考える

みらい先生は、厚生労働省の資料を一緒に見ながら説明した

みらい先生

「労働保険の手続きには、大きな流れがあります」

  1. 従業員を雇う(保険関係が成立する)
  2. 保険関係成立届を提出する
  3. 概算保険料を申告する
  4. 雇用保険適用事業所設置届を提出する
  5. 雇用保険被保険者資格取得届を提出する

2の手続きを行った後、または同時に3の手続きを行います
4、5の手続きも2の手続きの後に行います

「……つまり、バイトさんが働き始めたら、まずは“成立届”を出すわけだな」

ひよこ社長
みらい先生

「そう、それが労働保険の始まりです」



🐥 個人事業主の“ひよこ社長”の場合は?

「先生…ひとつだけ気になることがあるんだけど…」

ひよこ社長


ひよこ社長が恐る恐る切り出す

「個人事業は、従業員が5人未満なら加入しなくていいって聞いたことがあって…」

ひよこ社長


みらい先生が「あっ」と声を上げた

みらい先生

「そうでした。ひよこ社長は“法人”じゃなくて“個人事業主”なんですよね」

「お、おう!
自分で“社長”って名乗ってたけど…書類上は“個人事業主ひよこ”なんだよね…」

ひよこ社長
みらい先生

「はい。でも肩書きは好きに名乗っていいですよ
で、実はその“個人事業は5人未満加入不要”という情報、間違いではないんですが、、、“社会保険”の話なんです」

「えっ、社会保険って…?
労働保険は社会保険とちがう?」

ひよこ社長

みらい先生は指を2本立てて説明した

みらい先生

「広い意味での“社会保険”は、年金+医療+労働保険を含みます
ただ一般的に“社会保険”と言う場合は、健康保険と介護保険、厚生年金、つまり“狭い意味の社会保険”を指すことが多いんです」

「じゃあ今回の“労働保険”はその話じゃない…?」

ひよこ社長
みらい先生

「そうです。労働保険は人数に関係なく、従業員を1人でも雇った時点で加入が義務になります
正社員でもパートでも関係なく、雇った瞬間に義務が発生します」

ひよこ社長はメモを取る
“社会保険”→個人事業は5人未満加入しない
”労働保険”→人数関係なし

みらい先生

「この“違い”、すごくよく混同されます。
だから今日おさえておくのはとても大事ですね
実際の社会保険の加入要件はもう少し複雑ですが、今はこれくらいの理解でいいでしょう」

「たしかにこれ知らなかったら、完全にズレた理解になるところだった…」

ひよこ社長

みらい先生は柔らかく補足した

みらい先生

「社会保険については、また別の回でしっかりお話ししますね
今回は“労災+雇用=労働保険”の話に集中しましょう」


📝 今日のまとめメモ(ひよこ社長)

  • 狭い意味での社会保険と労働保険は別
  • 労災+雇用=労働保険
  • 労働保険は従業員を雇えば、個人事業主でも必須
  • 手続きは“成立届”から始まる
  • 成立届のあとに保険料の手続きがある
  • 雇用保険の手続きも成立届のあとで行う
  • 流れを知ると怖くなくなる

🐥 ひよこ社長のひとこと

「制度だけ聞いてたときは複雑に感じたけど、こうして流れで見ると前に進めそうだな」

ひよこ社長

☕ みらい先生のアドバイス

みらい先生

「次回は“成立届”を実際に書いてみましょう。まずは紙で出してみて、そのあと少しずつ電子申請にも挑戦するのがオススメです」


📎 参考:厚生労働省「労働保険の手続きの流れ」

(※公式パンフレットを必ず確認しておきましょう)

当ブログは社会保険労務士監修のもと、一部AIによって執筆・構成されています
→ [運営者情報はこちら]

-開業ストーリー